「インターネット以来の技術革新」とも表現されているブロックチェーン。
よくニュースや新聞でも目にする機会は多いと思います。
ブロックチェーンに対する印象は
・なんとなくセキュリティが硬そうなシステムのようなものだと思っている
・ビットコインなど仮想通貨を調べてると出てくる
・銀行関連のニュースでも耳にするから安心出来そう
など個々人の印象は様々だと思います。
この記事では、
・ブロックチェーンってよく聞くけど、意味は詳しく分からない
・以前ブロックチェーンについて調べたことはあるけどよく理解できなかった
というようなブロックチェーンに馴染みのない人向けに、そもそもブロックチェーンとは何かについてなるべくわかりやすく解説しております。
①ブロックチェーンとは何かわかるようになる
②ブロックチェーンの仕組みと特徴を知ることができる
③ブロックチェーンの将来性のイメージが湧くようになる
馴染みの少ない横文字やとっつきにくい専門用語はなるべく理解しやすい言葉に置き換えて記していますので、ぜひ最後までご覧になってください。
【1】 ブロックチェーンとは何か?
① ブロックチェーンとは
そもそも「ブロックチェーン」は仮想通貨「ビットコイン」の基幹技術として発明された概念です。そのため「ブロックチェーン」と「ビットコイン」が同じようなものという認識があるかもしれませんが、「ブロックチェーン」はあくまで分散台帳を実現する技術であり、それをビットコインが使用しているだけになります。
インターネットなどオープンなネットワーク上で、高い信頼性が求められる金融取引や重要データのやりとりなどを可能にする分散型台帳技術における中心的存在となるのが「ブロックチェーン」という技術になります。
② ブロックチェーンの定義
ブロックチェーンとは、「取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術」と定義されています。
データの破壊・改ざんが極めて困難なこと、障害によって停止する可能性が低いシステムが容易に実現可能等の特徴を持つことから、金融システムに大きな変革をもたらす可能性を秘めていると言われています。
③ ブロックチェーンの生い立ち
ブロックチェーンは、「サトシ・ナカモト」という人物により2008年にコンセプトが発表され、2009年に取引が開始されたビットコインを支える技術として世に登場しました。
サトシ・ナカモト氏は、政府による度重なる経済への介入を嫌っていたといわれています。
そして、誰も介入できず、決してダウンせず、公正に取引を記録する、新たなインフラを作るためにビットコインを生み出したといわれています。
そして、そのビットコインの根幹を成す技術がブロックチェーンだったのです。
余談ですが、サトシ・ナカモト氏は日本人のような名前でありますが、正体は明かされておりません。そもそも個人である説もあれば組織である説もあります。
【2】ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンの仕組みは、まず取引処理が実行されるとその記録(トランザクション)が残ります。複数の記録(トランザクション)は一定の大きさである1つのブロック単位にまとめられます。
そしてその時点で存在する最後のブロックの後につながるようにして保存されます。
これを繰り返すことで、記録(トランザクション)の集合であるブロックが前後につながり、チェーン(鎖)のように時系列でまとまります。
記録(トランザクション)がまとまったブロックチェーンのデータは、一箇所にまとまっているのではなく、同じデータが複数の分散型コンピュータネットワークすべてに保存されていきます。
【3】ブロックチェーンの特徴
① 可用性(Availability)
可用性(Availability)とは、システムを障害(機器やパーツの故障・災害・アクシデントなど)で停止させることなく稼働し続けることを言います。
従来の中央集権型のシステム管理では、管理本体に不具合があった場合にすべてのシステムが停止してしまう可能性がありますが、ブロックチェーンによる分散管理ができるとネットワークの一部に不具合があった場合にも、他の管理端末が動作しているのでシステムが停止することなく維持し続けることができます。
② 完全性(Integrity)
完全性(Integrity)とは、データを最新かつ正しい状態で維持することをいいます。
悪意のある人や端末からのアクセスを防ぐことで、データの改ざんや故意的な削除を防ぐことができます。
ブロックチェーンにおいては、取引ごと暗号化した署名を用いるためなりすまし行為が非常に困難だと言われています。
また、取引のデータがチェーンのように連鎖して保存されていくため、たとえ一部データを改ざんしたとしても、過去のデータも全て改ざんしなければ改ざんが明るみに出てしまうので、改ざんはほぼ不可能と言われています。
取引のコスト改善
従来の中央集権型のシステム管理では、第三者が必ず管理することになるのでそこに対してコスト(仲介手数料)を払う必要がありました。
分散型管理のブロックチェーンを用いた場合、仲介役(第三者)がいなくとも取引が確実に行えるようになるため、取引のコスト改善が見込めます。将来的には仲介手数料がなくなる可能性もゼロではありません。
【4】ブロックチェーン市場予測について
ブロックチェーンの国内市場規模に関する市場予測について、平成28年に経済産業省の商務情報政策局情報経済課が発表した「我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備 (ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)」という資料によると、将来的に国内67兆円の市場に影響を与えると予想されています。
67兆円規模の市場とはどれくらいの規模なのというと、建設業界が64兆円、不動産業73兆円、医療福祉68兆円なので、これらと同等のスケールまで市場規模が大きくなってくる予測になります。
①【1兆】価値の流通・ポイント化、プラットフォームのインフラ化
例)自治体等が発行する地域通貨を、ブロックチェーンで流通・管理
②【1兆】権利証明行為の非中央集権化の実現
例)土地の物理的現況や権利関係の情報を、ブロックチェーン上で登録・公示・管理
③【13兆】遊休資産ゼロ・高効率シェアリングの実現
例)資産等の利用権移転情報、提供者/利用者の評価情報をブロックチェーン上に記録
④【32兆】オープン・高効率なサプライチェーンの実現
例)製品の原材料からの製造過程と流通・販売までを、ブロックチェーン上で追跡
⑤【20兆】プロセス・取引の全自動化、効率化の実現
例)契約条件、履行内容、将来発生するプロセス等を、ブロックチェーン上に記録
まとめ
ブロックチェーンは近い将来に、世界で最も重要なインフラの一つとなり、あらゆる産業に変革を与える存在になり得る技術です。
私たちの生活がインターネットの台頭によって大きく変わったように、ブロックチェーンの台頭により今よりもさらに便利で安全な世界が訪れるかもしれません。
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